“いびき”というのは、多くの方が経験する身近なことであり、
あまり体に与える悪影響について知っている方が多くないかと思います。
当院では、いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療に力を入れておりますが、
最近では、ご家族からいびきを指摘されて受診されるケースも多くなっています。
いびきによって、ご家族に迷惑をかけることももちろん課題ですが、
いびきが身体に与える悪影響の方が問題です。
いびきでお悩みの方は一度この先の説明もご覧ください。
いびきの恐ろしさ
「いびき」は当たり前のように身近に存在し、
「いびきはぐっすり眠っている証拠」のように捉えられることがあります。
しかし、最近ではいびきが体に何らかの不調が発生しているサインであることが
知られるようになってきて、いびきは軽視できないものになっています。
いびきがある方の多くが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があり、
SASによる睡眠中の酸素不足は、脳や身体へダメージを及ぼすほか、
日中の活動にも様々な影響を与えます。
また、いびきをかく人のほとんどが口呼吸をしています。
口呼吸は体に様々な悪影響を与えます。
口呼吸をしていると空気中の細菌が体内に侵入しやすくなるため、
感染症になりやすくなるということや、
冷たく乾燥した空気を吸い込むことでのどが傷む可能性もあります。
その結果、免疫力低下、成長ホルモン分泌の減少、
扁桃炎、ウイルスによる口内炎、歯周病、口臭の悪化など、を引き起こす可能性があります。
上記の理由から、たかがいびきと侮ることはできません。
いびきの種類
「散発性のいびき」
普段はいびきをかかない方が、疲れたときやお酒を飲んだときに限っていびきをかく、
ということがあるかと思いますが、これが「散発性のいびき」です。
「習慣性のいびき」
体の状態にかかわらず、毎晩いびきをかく、という場合は「習慣性いびき」です。
この「習慣性いびき」には、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることが多くあり、
寝ている間の換気量低下(呼吸量が減ること)や覚醒反応(体は眠っていても脳が起きた状態になってしまうこと)の有無によっては、
「単純いびき」と、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)に伴ういびき」とに分けられます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、潜在患者数が400万人以上いると言われる、身近な病気です。
「SASに伴ういびき」だった場合、眠っていても体がきちんと休めていない状態ですので、
日中の眠気が生じたり、命に関わる生活習慣病のリスクを高めることにもなりかねません。
注意が必要です。
いびきの気になる方は、毎年健康診断を行うのと同じように、一度医療機関で検査することを推奨いたします。