中耳炎

鼓膜の奥には、中耳と呼ばれる場所があり、
その中耳で炎症を起こしたものが「中耳炎」です。
痛みや聞こえが悪くなるといった症状があります。

中耳炎にはいろんな種類がありますが、最も患者さんで多いのは、急性中耳炎です。

急性中耳炎

急性中耳炎は鼻の細菌やウイルスが原因で起こります。

鼻の細菌やウイルスが、
鼻の奥から中耳につながる耳管（じかん）と呼ばれるくだを通って中耳に入り、炎症を引き起こすのです。

症状としては、耳の激しい痛みや、聞こえも悪くなり耳がつまる感じがあります。
中耳には膿がたまり、症状が進むと鼓膜が破れて耳から膿（耳垂れ）が出てくることがあります。

小さなお子さんは、自分で痛みを訴えられないので、機嫌が悪くぐずったりします。

耳鼻科の耳用カメラで見ると、鼓膜が腫れ上がっていることが確認できます。
治療としては、抗菌薬の内服や耳の処置、
必要に応じて鼓膜を切開して中の膿を出して治療します。

当院では「Oto LAM」という、中耳炎治療のための最先端のレーザー治療機器で、
非常に細いレーザー光をコンピュータ制御で精密に超高速スキャンすることにより、
痛みや出血はほとんどなく瞬時に鼓膜切開をすることが可能です。

中耳炎には、痛みのない滲出性中耳炎という種類もあります。
急性中耳炎を起こして治療をした後などに鼓膜の内側に液体が残り、
その結果鼓膜が動きにくくなり聞こえが悪くなるといった症状があります。

子供は聞こえが悪くても、
それが「おかしい」ということには気づけないことがありますので、注意が必要です。

聞こえが悪いまま生活してしまうと、言語能力の発達にも影響があります。

話しかけても返事をしないなど、様子がおかしい場合は、耳鼻科を受診しましょう。

滲出性中耳炎の有無は、聴力や鼓膜の動きを調べることにより確認できます。
治療は鼻から耳に空気を送る耳管通気(じかんつうき)という処置をしたり、
鼓膜を切開して中の滲出液を出したりします。

急性中耳炎や滲出性中耳炎は治らないと
慢性中耳炎などに移行し、
手術が必要になることがあります。

気づきづらいこともありますが、
お子様の様子をしっかりと見てあげて、
中耳炎かもしれない時はお早めに耳鼻科に受診して下さい。