風邪はひとつの病気ではなく、「かぜ症候群」という大きなまとまりであり、
鼻やのど、気管支などに炎症が出ている状態のことをいいます。
風邪の多くはウイルスによって引き起こされます。

鼻水、鼻づまり、せき、のどの痛み、痰、だるさ、寒気、発熱などが症状としてみられます。
これらの反応はウイルスや細菌の進入・増殖を抑えるために起こる身体の防衛反応です。

ウイルスの種類は200種類以上存在するともいわれており、
すべての風邪に効果を発揮する万能薬は今のところありません。

そのため風邪の治療では、一人ひとりの症状に合わせた治療と処方が必要です。
一方で、症状は風邪と似ていても、実際には他の病気であるケースもあります。

風邪の症状は、鼻やのどに関する症状から全身の症状まで様々です。
以下が風邪の症状としてよくみられるものです。

全身の症状：悪寒・発熱・頭痛・だるさ・関節痛・筋肉痛
鼻の症状：鼻づまり・鼻水・くしゃみ
のどの症状：痰が出る・のどの痛み・咳

副鼻腔炎や中耳炎や、上気道から気管支や肺へ炎症が広がって気管支炎や肺炎を合併する場合もあります。

原因の約90％はウイルスで、風邪症状の原因となるウイルスは200種類以上あると言われています。

まずは、インフルエンザでないことを迅速診断キッドで調べます。
（インフルエンザと診断された場合、型どおり抗ウィルス剤を投与したり漢方を使用します。）

原因となる疾患に応じて、適切な治療法（投薬、漢方治療、ネブライザーによるお薬の吸入など）を行います。
特に鼻や咽喉は耳鼻咽喉科では直接の治療が可能です。

鼻症状に対して、鼻汁の吸引や鼻の中への薬液噴射、
のど症状に対して、のどへの薬液噴射や塗布などの治療を行ないます。
また、鼻やのどに直接薬剤を作用させるネブライザー治療も行ないます。

内服薬による治療では、ウイルスそのものを退治する薬は無いため、
のどの痛みを抑える、鼻汁を止めるといった症状に合わせた薬を処方します。
また、細菌感染の病気が疑われる場合には、抗菌薬も使用します。

風邪に感染する主な経路は、ウイルスを直接吸い込むことによる飛沫感染（せき、くしゃみなど）とウイルスに触れた手などを介して伝播される接触感染があります。
風邪を予防するためには、これらの感染経路を遮断することが大切です。
特にこまめに手洗いすることが一番効果的です。

通常のうがいも効果的ですが、併せて鼻うがいもお勧めです。
マスクは、鼻からあごの下までフィットするように着用するようにしてください。
また、体の免疫力を維持するために、できるだけ睡眠不足・過労・ストレスを避けて、
栄養バランスに気を付けて食事をするようにしてください。