急性熱性感染症
■急性熱性感染症とは
発熱の原因で一番多いのが、風邪などのウイルスや細菌による感染症です。
中耳炎や扁桃炎が合併している場合には、よく抗生剤を使用しますが、
急な発熱の場合、ウイルス感染のケースが多いです。
感冒様症状を起こすウイルスはたくさんあります。
その代表がインフルエンザウイルスですが、ほかにも普通のかぜライノウイルス、
扁桃腺を腫らすアデノウィルス、頭痛を伴うエンテロウィルスなどたくさんあります。
こうしたウィルスに有効な抗ウィルス剤はインフルエンザウィルスにしか開発されていません。
■当院の治療法
他のウィルスによって風邪様症状が出た場合、
自分の免疫(バイ菌をやっつける自分の体の中にある仕組み)で退治するしか方法がありません。
そうした場合にとても役立つのが漢方薬です。
具体的には、麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、桂麻各半湯などです。
こうした漢方薬の構成成分の中にある麻黄は体を温め、発汗させ、咳を鎮めます。
もう一つの主薬である桂枝はこの麻黄の発汗力を強め、血行を促進します。
こうした漢方薬は、インフルエンザウィルスに有効とされている西洋薬(タミフル、リレンザなど)と同等の効果があることが確かめられています。
また、解熱するまでの頭痛、関節痛を有意に軽減させることも知られています。併用するとさらに有効です。
また、インフルエンザウィルス以外の感冒様症状を起こすあらゆるウィルス疾患に対しても自然免疫増強作用があります。
こうした理由から急性熱性感染疾患に発病初期から漢方を使うメリットは十分にあります。